リクルートAIとドクターズ・ファイルの実証実験

7/30付けでリクルートテクノロジーズからギミックと共同で行ってきたAIを用いた実証実験についてリリースが配信された。リクルートテクノロジーズのリリースを待って、ようやく我々からも外部に向けてリリースできる運びとなった。私はこの日が来るのをとても楽しみにしていた。

実はこの実証実験は、2019年の1月から始まり1年半に渡って、リクルートテクノロジーズとギミックの間で行われてきた。両社のニーズがマッチした結果生み出されたプロジェクトだが、その背景に関して説明したい。

医療機関の広告に関して厚生労働省は広告ガイドライン(GL)というものを明示していて、そのGLを逸脱する広告表現は許されない。我々ドクターズ・ファイルはGLの遵守に留まらず、カスタマー保護の観点から、さらに一歩踏み込んだギミック独自のGLを設けており、このルールを遵守する運用を徹底している。全ての記事を校閲のスペシャリスト達が読み込み、複数のスペシャリストのチェックを通った記事のみが公開される。ネット上での医療機関に関するクチコミですら実はGLに抵触しているのだが、ネット上では無くなる気配さえ無い中で、このシステムを維持し続けていることはギミックの誇りだ。

一方、支社展開や全国の企業と次々に代理店契約を結ぶ中で、未来の「ドクターズ・ファイル」や「頼れるドクター」の記事数が膨大に膨れ上がるであろうということを考えた時、BPRは必至である。我々が「AIを導入して校閲作業を効率化できないか?」という議論を始めたのは2018年夏頃だった。僕は「AIを導入したBPRなんて今時でカッコイイじゃないか?すぐに進めよう!」と校閲や制作を統括する女性部長に早速GO!を出した。

リクルートがオープンソースで提供していた機械学習API群 『A3RT(アート)』内の校閲API「Proofreading」を見つけてきたのも彼女だった。リクルートテクノロジーズに問い合わせたところ、リクルートテクノロジーズとしてはこの『A3RT(アート)』を使っての実証実験のパートナーを探しているフェーズで、問い合わせのある複数の企業からパートナーを選定するとのことだったが、結果として、我々が独自に保有する医療情報を対象にする選択肢が評価され共同の実証実験のパートナーに選ばれたのだ。記事のタイトルを見て、「ヨコシマがコネを使ったに違いない」と勘ぐった方が少なくとも20人位はいると思うが笑、さにあらず。あくまでビジネスライクに現場で決まったプロジェクトなのだ。

さて、結果としては最大25%、平均18%の時間効率の改善、品質の向上と均一化が検証できた。詳しくはリンク先のリクルートテクノロジーズのリリースを参照して欲しい。担当部長からは「まだまだ改善の余地もたくさんある」とは聞いているものの、未来のBPRに向けて大きな一歩だ。新しいテクノロジーはどんどん取り入れていきたい。

蛇足だが、リクルートテクノロジーズの社長、清水淳さんとは私がリクルート在籍時代に、色々な案件で議論を共にした。リクルートを離れて16年。売上ゼロから始まったギミックが、かつての仲間が代表を務めるリクルートテクノロジーズと共同でプロジェクトができたことは、実に感慨深い。

One step, like never before.

株式会社ギミック 代表の横嶋大輔(ヨコシマタイスケ)です。One step, like never before. ”ドクターズ・ファイル”を運営するギミックが目指す世界観を表すキーワードです。ギミックの”今”を少しでも多くの人に伝えたくて、ひとつひとつ記事にしていきます。

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